年齢の節目ごとの呼び方
「還暦」は数え年で61歳、満60歳になった人の呼び方です。
還暦を迎えるということは高齢者とされる年齢を迎えるということでもあるので、まだまだ現役として頑張っていきたいと考えている人にとってはちょっとショックなことかもしれません。
ですが「還暦」とはその言葉からもわかるように、暦が一巡したという人生における大きな節目ということであり、12年で一周する干支が5周して年男・年女になるということでもあります。
この干支が自分の生まれ年に戻るということは一旦人生をリセットして再スタートをするという意味にもなるので、今風にいうところのセカンドライフが始まるおめでたい出発点にもなります。
現在は年金受給年齢も上がり、健康状態が改善して平均寿命が伸びたことから高齢者の定義は5年遅い65歳からということになっていますが、それでも還暦を迎えたときにはきちんとお祝いをしておきたいところです。
ちなみに還暦を過ぎたあとにも特定の年齢をさす呼び方がいくつかあるので以下に紹介していきます。
年齢による呼び名とその由来
【70歳:古希(古稀)】…「こき」。
唐の詩人である杜甫(とほ)の詠んだ詩の一節から。
【77歳:喜寿】…「きじゅ」。
喜という文字を崩して書くと七十七と読めることから。
【80歳:傘寿】…「さんじゅ」。
喜寿と同じく傘という文字の中に八十という字が含まれていることから。
【88歳:米寿】…「べいじゅ」。
傘寿と同じく米という文字に八十ハという字が含まれていることから。
【90歳:卒寿】…「そつじゅ」。
卒という字を略字で書くと卆になり、これが九十という文字に近いため。
【99歳:白寿】…「はくじゅ」。
百という文字から頭の一を取ると白という文字になるため。
【100歳:紀寿】…「きじゅ」。
喜寿と呼び方は一緒だが漢字が異なる。一世紀が100年であることから。
【101歳:百一賀】…「ひゃくいちが」。
100歳以上は毎年「百一賀」「百二賀」「百三賀」といったように増えていく。
【108歳:茶寿】…「ちゃじゅ」。
漢字の茶の中には二十八、十八という文字が含まれていることから。
【111歳:皇寿】…「こうじゅ」。
皇の上の部分は白寿のように百から一を引いた数の99を示し、そこに下の王の文字をニと十に分けて合計した数字であるため。99+2+10=111。
おそらく白寿を迎えることができる人はわずかではあるとは思いますが、元気に長生きをしてもらいたいという意味を込めてそれまでの卒寿や白寿も丁寧にお祝いしていきたいですね。
赤いちゃんちゃんこは贈るべきか
還暦のお祝いの定番品となっているのが赤いちゃんちゃんこです。
これは赤い色には魔除けの効果があると信じられてきたということが由来しており、昔は生まれたばかりの赤ちゃんにも真っ赤な色の肌着を着せるということも広く行われてきました。
還暦では先に説明したように干支が5周して新しい人生のスタートになるという意味もあり、赤ちゃんの時と同じように赤い色の服を着るということが習慣として行われてきたという背景もあります。
しかし赤ん坊に赤い服を着せるという風習も今ではほとんどされなくなったということや、還暦になるということはリタイヤまでもう数年というカウントダウンになることから、年齢を重ねたことを実感してしまう赤いちゃんちゃんこは近年ではあまり好まれないようにもなっています。
ですが本来的には赤いちゃんちゃんこを還暦に着用するということには大きな意味があり、気持ちを新たに元気に過ごしていくというポジティブな意味で捉えることが正解です。
ちゃんちゃんこはあまり実用的ではないということなら、赤い色をしたネクタイやスカーフ、肌着や衣類などを贈るということで代用をすることもできます。
食品や旅行などプレゼントは別に用意しておき、そこに赤い小さなアイテムをつけて贈るというのも気の利いた還暦祝いの方法と言えるでしょう。